アレルギー科

アレルギー性皮膚炎、肌荒れ、花粉症などのアレルギー疾患の 検査・治療を行っています。食品アレルギードックも行っています。

1.花粉症治療

花粉症のお薬は初診の方からオンライン診療で処方可能です。

病院への来院をためらう方は、オンライン診療のメニューで「オンライン初診外来」を選択してご利用ください。

花粉症治療はお早めに。

花粉症の症状軽減には早めの治療が大切です。
花粉症治療で患者様が一番気にされるのは薬による眠気です。しかし病院で処方される薬の中には、眠気のない薬もあります。市販薬に多く含まれている第一世代抗ヒスタミン薬はくしゃみ・鼻水を止めますが、眠気が強く、口が乾くという副作用がありました。その副作用を軽減するために、新しい抗匕スタミン薬が開発されました。これは抗アレルギー薬とも呼ばれていて、現在病院で処方する薬の主流となっています。薬によってはほとんど眠気がない薬もあり、パイロットも服用することもできます。

当院でよく処方する抗アレルギー薬にはアレグラ、クラリチン、アレロック、エバステル、ジルテック、ザイザルなどがあります。 また、喘息などの症状が出る場合もあり、そのような非常に症状の強い患者様にはセレスタミンやリンデロンなどのステロイド薬を短期間のみ頓用で使用してもらうこともあります。
実際に花粉症である私が、薬を飲んだ印象をあげてみました。

あくまでも目安なので患者様により異なると思いますが、効果を3段階に分けると以下のようになります。

花粉症に使用する薬剤

薬剤 飲み方 眠気の程度 効果
アレグラ 1日2回 ない やや強い
クラリチン 1日1回 ほとんどない やや強い
エバステル 1日1回 ほとんどない 強い
ザイザル 1日1回 最大1日2錠まで ややあり かなり強い
アレロック 1日2回 ややあり かなり強い
ジルテック 1日1回 ややあり かなり強い
ビラノア 1日1回(空腹時) ない 強い
デザレックス 1日1回 ない かなり強い
ディレグラ 1日2回 ない 鼻閉が強い場合に特に有効

鼻水が強い患者様、鼻づまりが強い患者様によってお薬を使い分けています。

鼻水、鼻づまりが強い場合

上記の内服に加えて、点鼻薬(アラミスト、ナゾネックス、インタール)を使用します。
直接鼻の粘膜に作用し、症状を和らげます。また点鼻薬なので眠気はありません。

鼻づまりが強い場合

ロイコトルエン拮抗薬(シングレア、キプレス、オノン)やトロンボキサンA2拮抗薬(バイナス)などの薬剤を併用することもあります。
また、点鼻薬(ナゾネックスなど)を併用することもお勧めです。
さらに、鼻づまりが非常に強い時に頓用で使う点鼻薬の血管収縮薬(トラマゾリン)もうまく併用します。これらの薬も眠気はありません。ディレグラという鼻閉が強い患者様用の内服をあります。

目のかゆみが強い場合

抗アレルギー薬の点眼薬(パタノール、リボスチン、リザベンなど)を使用します。
目のかゆみが特に強いときはステロイド点眼薬(フルメトロン)を短期間併用します。
点眼薬では眠気が出ることはほとんどありません。

花粉症の注射について

花粉症に使われる注射にはケナコルト注射(筋肉注射)とノイロトロピン注射(静脈または筋肉注射)があります。
ケナコルトはステロイドの注射で3カ月程度の持続効果があります。
ただし、女性の患者様には月経が遅れるなどの副反応が出る場ありがあります。
ノイロトロピン注射は2-3週程度の持続効果で男性、 女性ともに大きな副反応はありません。 現在、幅広い多くの薬が発売されており、まずはお薬による治療をお勧めします。
ただし、花粉症がひどくなる年は内服のお薬だけではコントロールができない方や職業柄内服が難しい方には注射の治療も行っております。
詳細はお電話にてお尋ねください。

2.ヒスタグロビン皮下注射(保険適応)

花粉症症状軽減、気管支喘息、慢性蕁麻疹にヒスタグロビン注射を行っております。

ヒスタグロビン注射は非特異的減感作療法となり、アレルギー反応を起こす原因となるヒスタミンの過剰な発現を抑制し、好酸球浸潤を抑制してくれます。

花粉症にはノイロトロピン注射との併用も期待されます。

適応

気管支喘息 慢性蕁麻疹 アレルギー性鼻炎(花粉症含む) などのアレルギーの軽減

治療法

成人は週に1-2回、小児は週に1回を合計6回皮下注射します。6回で1クールとなります。
効果が不十分な時はもう1クール実施します。

慢性アレルギーの患者様は、症状安定のため3カ月に1回程度の継続注射を行う場合があります。

以下の場合は投与できません

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴がある患者
  • 激しい喘息発作時の患者(症状を増悪させることがあります)
  • 月経直前及び期間中の患者(一時的に症状を悪化させる可能性があります)
  • 妊娠中又は妊娠している可能性のある婦人
  • 著しく衰弱している患者(発作を誘発する恐れがあります)

注意

生ワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘ワクチン)の効果獲得に影響を与える可能性があるためワクチン接種から最低2週間あける必要があります。

ヒスタグロビン注射を行ってから生ワクチンを接種する場合は最低3-4カ月あける必要があります。

3.パッチテストパネル検査(保険適応)について

接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎を診断するパッチテスト用の簡便な検査キットです。

パッチテストパネルの特徴について

1ユニットの中に、パネル1とパネル2の2枚の検査用パネルが入っています。

計24種類のアレルゲンを検査することができ、これを背中の皮膚に2日間貼って、反応を見ます。

アレルゲンの種類について

ニッケル・クロム・金コバルト

以下のアレルゲンを同時に測定することができます。
種類 アレルゲン名
金属 ニッケル・クロム・金・コバルト
樹脂 ロジン・ペルーバルサム・ブチルフェノールホルムアルデヒド・エポキシ
ゴム硬化剤 カルバミックス・メルカプベンゾチアゾール・メルカプトミックス・チウラムミックス
ゴム老化防止剤 黒色ゴムミックス
防腐剤 パラベンミックス・イソチアゾリノンミックス・ホルムアルデヒド
油脂 ラノリンアルコール
抗生物質 フラジオマイシン硫酸塩
局所麻酔剤 カインミックス
香料 香料ミックス
染料 パラフェニレンジアミン
水銀化合物 チメロサール

パッチテストパネル検査で何がわかるの?

これまで、なんとなく「金属アレルギーかな?」、「毛染めで皮膚があれたのかな?」、「洋服の繊維でアレルギーがでるのかな?」などと思われていたことに、検査を受けることで原因を特定できる可能性があります。また、検査により特定された原因物質をさけたり、歯に入れている金属を除去したりすることによって、皮膚の症状が軽減される可能性があります。

具体的な検査結果と症状

慢性蕁麻疹

パッチテストの結果、金属が陽性に出ました。
奥歯に虫歯の治療で銀歯をいれていたため、歯科で除去治療をおこない、その後は蕁麻疹は徐々に軽減しました。

手湿疹

よくある主婦湿疹とよばれている手荒れです。検査の結果、ゴム製品に陽性が出ました。この患者さんは手湿疹がひどいため、ゴム手袋をして水仕事をしていました。ゴム手袋の装着をやめ、外用剤を使用することで症状が軽減しました。

判定スケジュール

スケジュール

パッチテストパネル(S)による検査の料金

  • パッチテストパネル(S)の検査料金:約6,000円(3割負担)

健康保険は適応されます。初再診料、処方料などは別途必要です。
24項目のセット検査になりますので、個々の項目のみの検査はできません。
判定日には別途再診料がかかります。

4.ゾレア(オマリズマブ)の治療について

当院ではゾレア皮下注射のご相談を受け付けております。ご希望の方はご予約の上ご来院ください。

ゾレア(オマリズマブ)治療が受けられる方

  • (1) 重症花粉症
    1日でくしゃみ発作が11回以上、または鼻づまりの程度がひどく1日のうち口呼吸で過ごす時間が多くある方が重症花粉症です。
  • (2) 既存の治療で十分な改善が得られない
    内服薬に加えて、点鼻薬を使用しても鼻水、鼻づまり、くしゃみ発作が続く

(1)と(2)を満たす方が適応となります。

詳しくは製薬会社HPをご確認ください。

製薬会社HP

ゾレア治療スケジュール

  1. 初回来院時
    血液検査でスギ花粉特異的IgE抗体および血清総IgEを測定
    内服薬と点鼻薬を当院から処方(他院での処方は不可です。必ず当院からの投薬が必要です。)
    注1)血清特異的IgE抗体がクラス3以上(FEIA法で3.5UA/mL以上またはCLEIA法で13.5ルミカウント以上)がゾレア投与対象
    注2)血清総IgE値が30〜1,500IU/mlの範囲にある方がゾレア投与対象
    注3)ラテックスアレルギーのある方はゾレア治療はできません
  2. 血清IgE値と投薬した薬での治療効果によりゾレア治療を開始
    初回来院時の血液検査結果並びに投薬の効果により治療を開始するか決定いたします。

ゾレアの治療費について

ゾレアは保険適応となりますが、薬剤費が高額なため1シーズンでお薬代だけで30,000円から70,000円(自己負担3割の方)程度かかります。
ただし、高額療養費制度が適応される場合もあります。ご加入の医療保険組合にご相談ください。

  • ゾレア治療お薬代:30,000円〜70,000円 (自己負担3割の方)
    ※詳しくは製薬会社のホームページをご参考ください。

詳しくは製薬会社HPをご確認ください。

製薬会社HP


保険診療一覧